INTERVIEW
“生徒さんの声”で、できている教室
MICHIKO先生
ボーカル教室 FOREST
MICHIKO先生
ボーカル教室 FOREST
トップボイスエクササイズトレーナー資格。カラオケ大学講師。音痴克服のために22歳から大手ボイストレーニングスクールにてさまざまな発声方法を学ぶ。集中的なトレーニングを行い、音痴を克服。その後、アーティスト活動を始め、2005年にはCD全国リリース。個人レーベルを設立。2009年、自宅でボーカル教室を開業。自身の音痴克服法とアーティスト活動、ラジオ出演や雑誌新聞掲載など、それまで得た経験を「還元」するレッスンを提供している。現在は一軒家を貸し切り、複数のトレーナーとともに隠れ家のようでリラックスして学べる空間にて教室を運営。
22歳で音痴を克服、音楽の世界にのめり込んだ
今でこそ、ボーカル教室の先生をやっていますけれど、私じつは昔、とんでもない音痴だったんです。
ピアノは小さい頃から弾いていたのですが、歌はまるっきりダメ。
滑舌も悪くて、人前で話すことも苦手でした。それが一つのコンプレックスで「音痴を治したい」と、ずっとずっと思っていたんですね。高校卒業後はデザイナーになりたくて、デザインの専門学校に通いました。
学生生活の空いた時間に「音痴克服しよう!」と思い立って、ボイストレーニングスクールに入学。いろいろな先生のもとについて、それぞれの先生の発声法を習得しました。音痴を克服したい一心で、先生の言うことをよく聞いて、人の3倍も5倍も練習していました。すると、2年ほどで音痴を克服。それどころか、すっかり音楽にのめり込んでいる自分がいました。
歌うことが大好きになって、音楽のことばかりを考えるようになって、24時間音楽漬けの日々に。
歌のスキルを上げるためにボイストレーニング通い、リズム感強化のためにパーカッションを始め、作曲のためにDTM(パソコンを使用した音楽制作)も学びました。
機材のことがわからなかったので、音響関係の会社でアルバイトをしながら機材について学び、歌詞づくりの勉強のために1日10歌詞を書くことを自分に課していました。休みの日も、誕生日も、頭の中はいつも音楽のことばかり。
ファッションにも興味がなくなって、プライベートの時間もほとんどとらず、婚期も遅れてしまったほど(笑)。少なくとも10年以上は、音楽修行のような日々を過ごしていました。
そんな中で、歌手としてCDデビューさせていただいて、大きなステージでのライブや、ラジオのパーソナリティもさせていただけるようになりました。
極度の音痴だった私が、まさか歌の世界で生きるなんて、まったく思っていなかった。
まだ、うちの親すらも信じられない、と言っているくらいんですよ(笑)。
今は、自分が音痴を克服した経験を、生徒さんに還元する気持ちで、教える仕事に活かしています。とくに大人の方の場合、長年のクセがついてしまっているので直せるものも直せなかったり、時間がかかってしまうこともあります。
でも、自分の経験を活かして図にして視覚化したり、ちょっとロジカルに説明してさしあげると、パッと音程が取れるようになったりするんですよ。私は身をもって実践してきたので、生徒さんの状態や気持ちにも共感しやすいと思っています。
初めていらした全盲の生徒さんに教えてもらったこと
2009年に自宅で教室を始めて、初めての生徒さんは、なんと全盲の方。全盲の方って、普段から耳を頼りに生活しているから、聴力に優れていて、しかもその方は音感もよく、歌もすごく上手かったんですね。
ジャズを学びにいらしたんですが、私は全然うまく教えられなくて…。叩きのめされた気分でした。もっともっとスキルを上げないと人に教えられない、と感じて、トレーナーになってもいろいろな学校の体験レッスンを受講したり、他の教室の先生にも意見をいただいたりして、レッスンの内容を少しでも向上できるようにと努めてきました。
トレーナー同士学び合い、つねにスキルを向上
以前はスタジオを借りて運営していましたが、家賃や経費がかかるので、その分、どうしても生徒さんの月謝を高くしなければならない。生徒さんには負担をかけたくないし、月謝が高いことで音楽を辞めたりして欲しくない。
そんな想いから、4年前からは中野坂上で一軒家を借りて、1階を居住スペース、2階を教室スペース。4部屋の練習室を設け、6名のトレーナーとともに運営しています。
教室には、さまざまな目的で生徒さんがやってきます。ボイストレーニングを受けたい方、作詞作曲を学びたい方、ボイスエクササイズを学びたい方…。本当にいろいろなレッスンが求められるので、トレーナーはつねに自分のスキルを上げておかないと、生徒さんからの質問に答えられない。
そのため、FORESTでは、トレーナーが今のスキルに留まらず、つねにスキルを向上させていけるシステムを構築しています。他の先生のレッスンを見学して、そのレッスンに対してどんなところがよかったか、どんなところを改善したらよいかをフィードバックするシステムや、トレーナー同士で意見交換、情報交換できるよう、生徒さんのカルテやアンケートはサーバーで共有。
一人一人の生徒さんの満足度をあげるためにどうしたらいいか、トレーナー全員で知恵を出し合っています。
生徒さんにはご意見、感想をよく聞きます。
レッスン前のヒアリングに始まり、レッスン後にも感想を聞いたり、今後どのようなレッスンを希望されているのか、お話をたくさん聞くことを大事にしています。生徒さんへのサービスで迷うことがあれば、LINE@で直接、生徒さんたちにアンケートをとることも。
「こんなチケットがあったらうれしいですか?」とか、「イベントでは何がしたいですか?」など、アンケートを取ると意外とすぐに戻ってくるんですよ。
そして、みなさんからご要望が上がれば、それに対して迅速に対応する、適応力も大切にしています。
教室を始めて、今年でちょうど10年目。そんな努力の甲斐あって、トレーナーのスキル、教室の質は上がってきていると感じます。
現在、生徒さんは120名ほど。優秀なトレーナーさんに囲まれて、生徒さんたちもすごく喜んでくださっているし、今はとてもいい状態ですね。
FORESTは、生徒さんの声でできている
教室運営を「やりつづけること」って、すごく大変。たった10年ですが、振り返ると苦労がいろいろありました。先生と生徒という関係は難しくて、先生って上の立場にいるように見えても、相手は生徒でもお客様なので、その立ち位置の関係性とそのバランスをうまく取らなければなりません。
例えば言葉遣いや、メールやLINEの返しかた一つ取っても、どれくらいまでカジュアルに接したらいいのか、というのを、いつも気を配って、生徒さんの目線に立って考えなければなりません。
そう、生徒さん目線。生徒さん目線で考えられる教室は、自動的に生徒さんの満足が得られていくんじゃないかな、と思っています。
今後も”生徒さん第一”をモットーに、生徒さんとトレーナーがともに向上していける教室を目指していきたいと思っています。
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