INTERVIEW

ライフステージで考える教室運営

趣味なび大学編集部 石川名月

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Hiroko先生

ANTINE cooking studioアンティーヌクッキングスタジオ

Hiroko先生

ANTINE cooking studioアンティーヌクッキングスタジオ

小学校の栄養士として23年間勤務。その後、イギリス、オーストラリアに渡り、1年間、現地の小学校で日本食や文化を教える。帰国後、2003年に料理教室「ANTINE cooking studioアンティーヌクッキングスタジオ」をオープン。2019年、教室をテナントから自宅に移し、スタッフ2名とともに活動中。

結婚、出産、自分自身の体の変化など、人生にはさまざまなライフステージがあり、その時々の環境に合った働き方を考えていくことはとても大切なこと。今回は料理教室「ANTINE cooking studioアンティーヌクッキングスタジオ」を主宰している料理家のHiroko先生に、ご自身の経験をもとにライフステージとともに変化した仕事への考え方などに関してお話を伺いました。

年齢を重ねて変わった、仕事と自分の時間に対する考え方

小学校の栄養士として23年間勤務した後、海外生活を経て、40代で一念発起して料理教室を開業しました。「ビジネスとして、なんとしてでも成功させたい」という気持ちで、テナントを借り、内装にもこだわった専用の教室を開設。スタッフ数名とともに、料理教室の先生として第2の人生をスタートさせました。

「レシピ」の開発、生徒集客のためのウェブサイトづくり、チラシの配布、そしていらしてくれた生徒さんのフォローアップや経理、スタッフの育成など。毎日やること、考えることがいっぱい。生活のほとんどを教室運営に費やしてきました。

もちろん、集客が順調でない月があったり、スタッフが辞めてしまい落ち込んだりもしました。社会のこと、経済のこと、流通のこと…。

知らなかったこともたくさんありました。業者さんとのやり取りで、つらい思いも。でも、それによって、いろいろなことを学ばせていただきました。

しかし、どんな苦労があっても15年間がむしゃらに突っ走ってこられたのは、生徒さんの笑顔があったから。大好きな料理を通じて、生徒さんと繋がれて、時間を共有できることが何より幸せだったからです。

スタッフ、生徒さんとの出会いが教室の魅力に磨きをかけた

教室の先生として、気をつけていることは、すべての生徒さんを“平等に”きちんと見てさしあげること。ひいき目はしない。
生徒さんひとりひとりに寄り添うことが大事です。そしてスタッフには、「どう?最近。」とか「なにか困ったことある?」などと声をかけて、「あなたを意識して大切に思っているよ」ということをしっかり言葉にして表すようにしています。

アンティーヌは小さな料理教室ですが、私は誰にでも自信をもってアンティーヌの魅力を語ることができます。それは、15年間自分自身で考え抜いて、自分自身で作り上げてきた教室だから。

そして、その自信をさらに強固なものにしてくれたのは、「人との巡り会い」です。スタッフたちとの出会い、生徒さんたちとの出会い。
その人たちの力があるから、今日もレッスンができている。精神的にものすごく大きな存在です。
スタッフを雇うのは大変なこともあるけれど、お互いをもっともっと成長させてくれる。もうそれはお金にかえられないもの。すごくそう思います。

教室をテナントから自宅へ移転し、再出発

60代を目前にした時、体力など体の変化を実感、おのずと、60代以降の「第3の人生」を考えるようになりました。

これまでは、生活のほとんどを仕事に費やしてきました。みなさんに食を通じて幸せな暮らしをご提案したいという思いでやってきました。しかし、自分自身がゆとりある暮らしを過ごせているのか、自分の体や時間も大切にすることが必要なのではないか、と感じるようになりました。
自分自身が暮らしを楽しみ、趣味を楽しみ、そして食を楽しみ。それが更なる食への提案につながるのではないかと思うようになったのです。
そこで、自宅のキッチン&ダイニングをサロン風にして、教室の形態も少し変えて、リスタートすることにしました。

自分にとって最も大切なものを見極める

教室を自宅に移してからは、さまざまな面でリラックスした気持ちで教室運営に向き合えるようになりました。スペースが小さくなった分、これまでのようにたくさんの生徒さんを一度に教えることはできませんが、少人数のレッスンも楽しいものです。

自分自身を表現したパーソナルな空間では、これまでできなかったライフスタイルの提案ができたり、もっとリラックスして仕事に向き合えるようになりました。結果として生徒さんにも充実したレッスンを提供できて、生徒さんからも好感触を得ています。

生徒さんを迎え入れる前には、買い物や、仕込み、資料づくりなど、労力がかかりますが、生徒さんが扉の向こうからやってくると、一気にエネルギーが湧きますし、教室という現場で生徒さんと過ごす時間は何物にも代えがたい。

生徒さんと接しているこの空間、時間が一番好きですし、大事にしていきたい。ライフステージが変わっても、料理の先生を辞めずに、規模を小さくしてでも続けたかったのは、やはり生徒さんの笑顔にありました。

結婚、出産、病気や家族の別離など、人生にはいろいろなライフステージがあり、それによって環境が変われば仕事に対する考え方も変わってきます。変えていかざるを得ないという時もありますよね。
その時々の環境に合わせて、現実を受け入れながら、自分が納得する形で教室を続けていくこと。

教室運営のあり方を変化させていくことが必要だと思います。自分がどのような働き方を求めているのか、はっきり見極めて、気持ちよく仕事をしていくことがとても大事。私の場合は、年齢を重ね、体力もなくなっていく中で「今やっている仕事」と「新しいことへの挑戦」をどのように実現するかということを考えました。

ここからの20年は、自分のライフワークとして先生を続けながら、自分自身の体や時間も大切に過ごしていきたいと思います。

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