INTERVIEW

人生100年時代、お教室の先生として、できること

趣味なび大学編集部 石川名月

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岩井ますみ先生

色と香りの生活提案 イリデセンス

岩井ますみ先生

色と香りの生活提案 イリデセンス

千葉県市川市生まれ。大学卒業後、アパレルメーカー、スイス系商社勤務後、1992年よりカラーコーディネーターに。1993年、独立して「色と香りの生活提案 イリデセンス」を主宰。2014年より、40代以降の女性を中心にした「大人のおしゃれレッスン」を開講。また認知症予防専門士の資格を生かし、認知症予防活動「おしゃれで脳トレ」の講演、地域に根ざした活動「いきいき生きがいプロジェクト」にも力を入れている。

働き盛り、充実した日々の中、突然のがん告知

カラーコーディネーターとして活動して25年になります。20代で独立してからは、都内を中心に活動していました。複数のカルチャースクールでクラスを持ちながら、講演活動をするために全国を飛び回り、執筆活動も積極的に行っていました。とてつもなく忙しい毎日でしたが、自分のスキルや経験がたくさんの人々の役に立つことに、大きなやりがいを感じていました。

しかし、40代に差し掛かった頃、突然のがん告知。健康診断で見つかったのは若年性の大腸がんでした。すでに進行していたために、仕事をすべて中断し、治療に専念。仕事が中心の生活から一転、突然の入院生活が始まり、手術、そして抗がん剤治療…。ハードな治療だったためにつねに体調が落ち着かず、気分もふさぎ込みがちに。行き場所がない。やることもない。闘病中は“孤独感”や“疎外感”を感じていました。さらに転移が見つかり、治療期間はさらに長いものに。結局、40代のうち5年間はがんと闘っていました。

闘病中、お医者さまに言われたひと言が現在のお教室のヒントに

闘病生活の中で一番感じたのは「自分の居場所がない」ということでした。仕事もできず、社会との接点が遮断された状態のなか、「このまま誰にも知られずに死んでいくのではないか」などと気後れして、精神的に不安定になったり、自分が着る服はいつしか病人らしく見えるものになっていました。

しかしある時、薬の副作用で肌のかゆみがつづき、皮膚科のお医者さまに相談していたところ「風通しのいいワンピースなんかを着てみたらどう?」と言われました。その言葉に雷が落ちたような衝撃を受けました。

「治療中だってワンピースを着ていいんだ」「おしゃれしたっていいんだ」――おしゃれを提案する職業にもかかわらず、辛い闘病生活の中で「おしゃれ」という言葉すら頭から離れてしまっていた私。それからは、入院中のパジャマや、通院する際に着る服も、色やコーディネートを考えながら、自分の気分が上がるようなものを選ぶようになりました。

2度のがんを克服し、社会復帰できると決まった時、私は自分の経験をもとに、人生の過渡期、変わり目を経験する40代以降の方々に向けた、おしゃれの教室を改めて開業しようと決意しました。自分自身が病気になったり、身内が病気になったり、親の介護が始まったり、子どもの手が離れたり。また体調や体形の変化もある40代以降。その世代の方々が気軽に通えて、自分の時間を過ごせる場所があったらいいな、という発想から、地元市川市に2015年に「大人のおしゃれレッスン」を開校しました。

みんな大人になっても褒められたい!レッスンでは「褒めて伸ばす」

私は「褒めて伸ばす」教え方。どの世代も共通して言えますが、やっぱり人は褒められるとうれしいものですよ。とくに大人世代の方は、自分の子どもや部下に対して褒めることがあっても、自分自身が褒められることは少なくなる。だから、「先生に褒められた」「教室の仲間に褒められた」ということがいい体験となって、どんどん自分に自信がついて、元気になっていくんですよ。すると積極的にお出かけしたり、いろいろなことに挑戦するようになるんです。

初めて教室に来られた時には、恥ずかしそうにしていた方でも、レッスンを通じて少しずつ、おしゃれするようになっていくと、いつもニコニコ、顔つきも変わってきます。そして、周りの人から「おしゃれね」「素敵ね」と声がかかると、どんどん女性らしさや美しさが増して、きれいに輝いていくんです。

人生100年時代が到来し、2020年には女性の人口の半分は50代以上といわれています。その人たちが病気になってしまったら、健康でなかったら、日本は傾いてしまう。人々に趣味やまなびを通じて生きがいを提供する私たち教室の先生は、そういう時代になっていくことを意識して、教室活動を行ってくべきだと思っています。

そのような考えもあり、市川市で活躍する各専門家の方々と連携を組んで、“街ごと健康寿命を延ばす”ための「いきいき生きがいプロジェクト@いちかわ」という取り組みも行っています。「市川市を長寿日本一に!」という意気込みで、市内で働く療法士の方や、高齢者に健康体操を教えている先生、老後の問題を専門に扱っている士業の方、シニアの撮影を得意とする写真家の方などと一緒に「脳と街を活性化する認知症予防」イベントや講演を行うなどの活動をしています。この活動に関する発表は、日本認知症予防学会第8回学術会議で優秀発表に授与される「浦上賞」を受賞いたしました。

人々が年齢を重ねてもいきいきと暮らせるように、おしゃれを通じてお手伝いをするのが私のライフワーク。教室活動を通じて、私自身もわくわくしながら、人々の若々しく健康で豊かな人生をサポートしていきたいと思います。

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