INTERVIEW
バレエの先生×会社員パラレルキャリアという生き方
趣味なび大学編集部 石川名月/撮影:Kei Ito
Kaworu先生
バレエ教室 Ones Ballet Studio
Kaworu先生
バレエ教室 Ones Ballet Studio
7歳から、大谷悠子に師事。セェリ・ユース・バレエ団にて数多くの舞台公
演に参加。American Ballet Theatre(米国・ニューヨーク)研修、ウクラ
イナにて海外公演に参加、Colorado Balletとの国際交流公演に出演など海
外でのバレエ経験あり。2012年Ones Ballet Studio設立。
生徒さんと一緒にその場の空気感を楽しみながら感じたことを伝えたい
東京の勝どきで大人のためのバレエレッスンを開講しています。生徒さんは20代から60代と幅広く、OLさん、主婦の方、バレエ学校に通っている学生さんもいらっしゃいます。「生徒というよりも仲間」という感覚で教えていますね。教室は大人が対象なので、レッスンでは日常生活に役に立つ雑学を交えたり、ニュースの話題を取り入れたりして、バレエの技術以外にも得るものを持って帰ってもらえるような内容にできるよう、心がけています。
私の最大の目標は、Ones Ballet Studioを 「ラッキーの場所」 にしたい、 ということ。「ここでバレエができてラッキー!」「ここで仲間に出会えてラッキー!」 みんなにとって、いろんなラッキーが起こる場所になれたらうれしいです。そして、私自身も「ここで教えることができてラッキー!」と、ずっと感じていたい。生徒と先生という関係を超えて、みなさんとお互いに成長できる関係性を築けたらいいな、と思っています。
ハイチ沖地震をきっかけにチャリティーのために始めたバレエ講師
じつは私、昼間は会社員としてフルタイムで勤務しています。会社員としての仕事は今年で12年目。私は物事をロジカルに説明したり、人とコミュニケーションをとったりすることが好きで、会社の仕事ではそういった面を活かして社会の役に立てるのがうれしいですね。会社員になる前は、プロのバレリーナとしてバレエ団に所属していました。しかし、ケガが原因で現役を引退。その後、就職しました。
会社員になってしばらくしたある日、自宅でテレビを観ていたら、ハイチ沖地震のニュースが流れました。2012年のことです。ニュースでは、多くの犠牲者の方が出て、停電、断水、食料や衣料品が不足していることなど、それはそれは悲惨な状況を伝えていました。私はとても胸が痛み、「ハイチの人たちのためになにかお手伝いできることはないか」と、アクションできることを探しはじめました。
ちょうどその頃、バレエ団で一緒だった友人から「バレエ教室を開くので手伝ってくれないか」という誘いがありました。そこで「空いた時間にバレエの先生として働いて、稼いだお金をハイチの人たちのために寄付しよう!」と思いついて、教え始めたのが先生になったきっかけです。その後、三鷹にOnes Ballet Studioを設立。2014年には「大人のためのバレエレッスン」を開講するために、勝どきにスタジオをオープンしました。今も教室の収益の一部はチャリティーに寄付しています。
昼間は会社での仕事をして、仕事が終わるとスタジオへ。夜間と週末にバレエのレッスンを行っています。2足のわらじの生活を始めてから約10年が経ちます。まわりからは「大変だね」と言われますが、私にとっては、会社の仕事からも学べることがたくさんあるし、バレエを通じて人のためになって、そして自分も成長できることがうれしい。パラレルキャリアをしたいと思って始めたわけではないですが、生活とライフワークを両立させることで、私らしい人生になっていると感じています。
ライフワークとしてのバレエと、会社の仕事私らしく両立させる
踊ることはいつからでも、誰でもできること。経験がなくても、何歳からでも始められます。鏡の前で美しく踊ろうと努力することで、自然と自分自身も輝いていく。教室ではそんなバレエの魅力を伝えたいと思っていますが、「バレエは敷居が高いもの」と、始めたくてもなかなか踏み出せない人が多いみたいです。
なので、Ones Ballet Studioではバレエをやったことがない人でもかんたんにバレエを体験できるような、1回完結のレッスンやワークショップを用意。
《ヨガ》+《バレエ》をミックスさせたボディコンディショニングバレエ(BCバレエ)】を軸に「後ろ姿からバレリーナ、身体が喜ぶエクササイズができるシェイプアップバレエ」など、初めての方でも気軽に体験できるレッスンを設けています。はじめから本格的に踊るのではなく、マットを敷いてストレッチをしたり、足を動かしたりしながら、まずはバレエの世界を体験。そこから興味を持ってバレエのレギュラークラスに入られる方が多いですね。また、私はベビーマッサージやマタニティピラティスなどのインストラクター資格も持っているので、ママに向けたレッスンやワークショップも行っています。
昼は会社員、夜はバレエの先生。もちろん大変なこともたくさんありますが、自分の得意なこと=バレエを人に教えることで、たくさんの人にバレエの楽しさを感じてもらい、その収益をチャリティーへと寄付して困っている人の助けにもなれる。そして自分も成長できる。一石三鳥ですよね。これからも、バレエの先生も会社員としての仕事も、フルパワーで続けていきたいと思います。
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