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〈前編〉もっと自分を知ってもらおう! 自費出版の手引き

趣味なび大学編集部 橘

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教室が軌道にのってきたら、あなたの専門的な知識や技術を、もっと広めることを考えてみませんか? たとえば、ホームページやSNSであなたの教室のことを知って気になっているものの、遠くて行けないという人がいるかもしれません。そんな人たちにもあなたの培ったノウハウを伝える手段として、自費出版という方法があります。 言葉としては聞いたことがあるけど、実際に自費出版する方法なんてわからない……そんな方のために、自費出版にまつわるあれこれを前後編にわたってお伝えします。

出版の形態

まず、出版には以下の3パターンがあります。

・自費出版(出版にかかる費用は著者が負担)
・商業出版(出版にかかる費用は出版社が負担)
・共同出版(出版にかかる費用を著者と出版社で折半)

出版にかかる費用は数万円から1,000万円以上とケース・バイ・ケースですが、その費用を誰が、どれくらい負担するかによって、出版形態が変わるのです。
今回は、著者が費用を100%負担する「自費出版」について取り上げます。

まずは会社選びから

「自費出版をしよう!」と決めたら、原稿を作成する前にしておくべき準備があります。トラブルのないスムーズな出版をするためには、この事前準備がとても大切。具体的にどのような準備が必要なのか、順を追ってご説明します。

まずは、どの会社から出版するのかを決める必要があります。
出版する際には当然、業者や出版社に依頼することになるわけですが、その依頼先を選ぶ作業は非常に重要。一口に「自費出版」といっても、その内容や手順は会社によって異なります。
編集者はついてくれるのか? 販売促進のプロセスはどうなっているのか? 著者への売上はどのように支払われるのか? どれだけの流通経路があり、どれだけ人の目に触れる機会があるのか? そういった点を会社ごとに比較し、あなたの要望に応えてくれそうな会社を選ぶことが何よりも大切です。

どういう形で自費出版するかには、大きく分けて以下の3つの方法があります。

・総合出版社から出版する
・自費出版専門の出版社から出版する
・電子書籍として出版する

どこから出版するかによって、出版にかかる費用や出版後の流通、読者が受けるイメージなども異なるため、違いを把握したうえで決定することが重要です。
以下で、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

総合出版社からの出版

〈メリット〉
・書籍や雑誌など、さまざまな出版物を取り扱う大手出版社のためサポートが手厚い。
・ベテラン編集者がつき、原稿作成時にしっかり意見を聞かせてくれる。
・執筆が苦手な人向けに、ライターが取材や執筆を代行してくれる場合がある。
・書籍に大手出版社の社名がつくため、そのネームバリューを活かしたPRが可能となり、話題になりやすい。
・多数の流通経路を確保しているため、書店で読者の目につく機会が増える。

〈デメリット〉
・費用が高い。編集者やライターによる手入れが増えるほど、段階的に費用もかさむ。
・表紙のデザインを外部に委託している場合、その費用もかかる。
・ライターに代行で執筆を依頼した場合、自分のイメージと違うものに仕上がる可能性があるため、著者が内容を確認する作業が発生する。

〈考え方〉
少しでも費用を抑えたいなら、原稿は自分で仕上げて、最終的なチェックだけを出版社に依頼する。また、表紙のデザインやレイアウトの提案を行うのも有効。

自費出版専門の出版社からの出版

〈メリット〉
・自費出版に特化した中小規模の出版社のため、著者の細かいニーズに対応可能。
・自費出版のノウハウが充実しており、品質の高い書籍を制作できる。
・費用が安い。表紙のデザインや紙面編集などすべて自社で行うため、経費が削減できる。
・流通量が少ないぶん、比較的、規定がゆるい。他社で出版を断られた原稿でも対応してくれる場合がある。

〈デメリット〉
・編集者によるサポートや販売促進活動には手厚くなく、あまり期待できない。
・書店流通のネットワークが、大手に比べると手薄になる。
・大手から出版した場合と違ってPR性に欠け、読者の目につかない可能性もある。
・売れ残ってしまった場合、著者自身が書籍の在庫管理費を支払うことになったり、書籍を買い取ることになる場合がある。

〈考え方〉
多くの部数を売ることが目的ではなく、記念的な意味合いが強く、少量でも流通できれば満足という人にはオススメ。

電子書籍としての出版

〈メリット〉
・紙の本と違って印刷代や製本費、在庫管理費が不要なので出版費用を大幅に削減できる。
・電子書籍出版の手続きを代行してくれるサービス業者も多く、紙の本と比べて出版の敷居が低い。

〈デメリット〉
・書籍という〈もの〉が残らない。
・紙の本に比べて、電子書籍の読者数は圧倒的に少ないため、多くの人に読んでもらえるとは限らない。

〈考え方〉
とにかく自分の作品を世に発信したい、本という〈もの〉は残らなくてもいい、多くの読者に届けることを目的としない場合は、安価で手軽に出版できるためオススメ。

このように、形態によってさまざまなメリット・デメリットがありますが、もっとも重要と言えるポイントは、

「担当者が信用できる人物か否か」

ということです。あなたの大切な原稿を託し、代金を支払う以上、本当に信頼して任せられる人柄か、思っていることを率直に話せる関係を築けるかどうかを見極め、出版する会社を決めましょう。

自費出版については、各出版社にメールや電話で相談できる場合もありますし、個別に自費出版の相談会を行っている会社もあります。出版社とやり取りできる機会をうまく活用し、気になる点については詳しく尋ね、あなたの希望に合う出版社を選んでください。

次回〈後編〉では、出版に向けた工程や費用の目安などをご紹介します。

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