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INTERVIEW

一人でも多くの方に伝承していくために、企業様との取り組みは大切な機会

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浅海 理惠先生

Les Misera Culture School主宰

浅海 理惠先生

Les Misera Culture School主宰

『お箸と風呂敷は心を育ててくれる存在である』という想いの下、お箸と風呂敷をアイテムとして“日本に息づく心配り”の伝承に努めている。技術や楽しさを身につけられるだけではなく、歴史や所作に込められた意味などを丁寧に解説する手法は、改めて日本のこころを大切にすることができる講座として高評を受けており、活動は講演や執筆活動等多岐に渡っている。

ーまずは先生がオファーを受けたお仕事について、お聞かせください。

2019年5月に恵比寿ガーデンプレイスで行われたイベントで、ワークショップを開催させていただきました。当時はまだ今ほどに生活に取り入れられていたわけではないSDGsを題材にしたイベントで風呂敷を扱っていただけるということで、お声がけいただきました。風呂敷の活用は正にSDGsやソーシャルウェルネスに適うものであるということ、さらに、お一人でも多くの方に、風呂敷を身近に感じていただき、そして親しんでいただけますように…との弊スクールの伝承活動に沿うものであったので、参加させていただくことを決めました。

ーイベントでのワークショップということで、何か特別な準備はされましたか?

イベントだから、というわけではないのですが、参加される方の意識やモチベーションが普段とは異なっていましたので、訴求ポイントなどを変更しました。当時の通常レッスンでは、ご参加くださるのは「日本文化」にご興味がある方がほとんどで、年齢層も高めか、お子さん向けが多かったのですが、そのイベントではご参加者様は20代から30代の方がメインで、「環境への配慮」や「ソーシャルウェルネス」という題材でのご用命でしたため、そこにしっかりとピントを合わせ、ご満足いただけるように構成したという意味では、特別な準備と言っていいのかもしれません。

ーお仕事を通して、気づきや、レッスンに活かせたことなどはありましたか?

はい、ありました。風呂敷というのは、「古臭い」「難しそう」「どこで販売しているのか分からない」というイメージを持たれてしまうのが課題です。また、「ラッピング」という側面が取り上げられることが多かったのです。
イベントにご参加くださった方々からも「難しそうでどう扱ったらいいか分からない」というお声が上がりました。ところが、実際に風呂敷でバッグを作ってみると「こんなに簡単でファッショナブルなんだ」と皆さんとても意外そうに、そして楽しんでくださっていたのが印象的でした。ラッピング以外にも活用方法があると知っていただくことで、興味を持つきかっけが生みやすくなったり、環境に配慮したいという意識に風呂敷が寄り添えるという確信を持てたのは大変良い気づきでした。

また、日本文化に特別興味がない場合でも、SDGsという切り口でタッチしたときにどういった反応があり、そこから何を感じていただけるのか、という点を私自身も学ばせていただきました。若い世代の方や、環境問題にご興味のある方へのコミュニケーション方法など、このイベントに参加させていただいた経験はとても役立ったと感じています。

ーその他に、企業様とお仕事をされる上でメリットに感じていることはありますか?

やはり「拡散力」でしょうか。たとえば、わずかな基礎を身につけていただければ、あとはご自身の感性で容易に、便利に、そして自由にご活用いただけるもの、それが風呂敷です。そこをご理解いただけさえすれば、自ずと人々の生活に根付きます。しかしながら、どんなに頑張って活動をしていても、その数や対象については、私個人の力だけではどうしても限界があります。ですが、イベントに参加させていただいたり、企業様にサポートいただいたりすることで、日本文化に興味があるか否かを問わず、より幅広い対象の方々に知っていただくことに繋がります。活動の場が広がり、文化を伝承できる機会を得られるということは、とても大切で貴重であると思っています。

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