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生徒さん目線で集客しやすいレッスンの曜日、時間帯、月謝を考える!
生徒さんが通いやすい教室にするためには、レッスンの曜日や時間帯、価格帯について生徒さん目線で考えることも大切です。当然のことですが、生徒さんが集まりやすい曜日や時間帯、月謝に設定されていれば集客もしやすく、生徒さんの満足度もアップする可能性が高くなります。 今回は、レッスンの曜日や時間帯、月謝を生徒さん目線で考えるにはどのようにすべきかについて紹介します。
1、まずはターゲットの設定を!
レッスンの曜日や時間帯、価格について考える際に、最初に考えたいのはターゲット設定です。というのも、層によって忙しい時間帯や通いやすい曜日などが異なるためです。ターゲットの設定のポイントについて紹介します。
●レッスンの内容によってターゲットの方向性が絞られる
レッスンの内容によってターゲットの方向性は絞られます。例えば、ビジネススキル習得に直結する教室であれば会社員やフリーランスでスキルアップを目指す方が対象になりやすく、料理や美容などの場合には趣味や生活の品質向上といった目的を持った方がターゲット層の中心になります。
まずは、どのような教室を運営するかということから、客層となるターゲットを絞り込んでいきます。
●立地条件からターゲットを考える
教室の立地条件もターゲット層に大きく左右します。例えば、住宅地や、郊外型のショッピングセンター内に出店している場合には、ファミリー層が対象になるため主婦層やシニア層がターゲットの中心になります。反対に、都市の中心部に教室を開く際には、会社勤務の男女がターゲットの中心になるでしょう。
●レッスンの難易度や雰囲気によってターゲットを設定する
初心者の方でも気軽にワイワイと楽しめることを目的にして教室を開く場合と、大会や発表会のエントリー、資格取得などを通して将来に活かすことを目的とする場合とでは、集まる生徒の質が異なります。また、レッスンの取り組み方についても異なるため、まずはご自身の教室がどこをゴール(目的)としてレッスンを開催するのかについてしっかりと設定をおこないましょう。
2、生徒さん目線で通いやすい曜日・時間を設定するには?
ターゲットが明確になったら、生徒さんが通いやすい曜日や時間を設定します。もちろん、教室数や先生の数、生徒さんの個々の状況などに応じて調整するとさらに効果的です。
●時間に融通がきくシニア層に対する時間や曜日の設定方法
一般的にシニア層は時間的に融通がきくことが多いので、平日の午前中や午後の早めの時間にレッスンの時間を設けると良いでしょう。ただし、生徒さんによっては午前中に定期的に病院への通院時間を設定している方も少なくないため、曜日や時間帯などでいくつか選択肢を設けるのも効果的です。
また、パソコン教室や手先を使う手芸系の教室などでは、長時間のレッスンによって疲れを感じさせてしまうケースもあります。レッスンの時間を半分にして、週に2回通えるコースになるなどの設定も効果的です。
●主婦層は平日の午前・午後早めの時間帯がおすすめ
主婦層の集客を習うなら、平日の午前と午後の早めの時間帯がおすすめです。
ただしお子様のいるご家庭の場合、小学校の終業時刻や、その後のお子様の習い事の時間にぶつかってしまうと、主婦の方の集客が困難になってしまいます(送迎などとバッティングしてしまうため)。また、夕方4時~5時頃からは夕食作りがスタートするので、お子様のいないご家庭であってもレッスンが夕方にかかると敬遠される可能性が高くなります。
お子様の習い事とのバッティングを避けるための方法としては、レッスンの日程を2~3程度設けること、近隣の人気の学習塾の授業時間をチェックするなどの方法があります。
また、主婦の方の場合は仕事や育児の予定が埋まっていない時間帯であっても家事に時間が取られるので、頻度や時間などで負担がかかりすぎないように調整しましょう。
●会社勤めをしている方向けの場合<街の中心部やオフィス街に出店する場合>
街の中心部やオフィス街に教室を開く際には、仕事が終わった後にレッスンに参加する方が大半になります。従って、夕方から夜間にかけての時間帯がレッスン時間の中心になります。
夕方や夜間に時間を設定する際のポイントとしては、仕事で疲れた状態でレッスンに参加しているという生徒さんの状況を踏まえて、レッスンが長時間になりすぎないように工夫することが重要です。また、状況によっては仕事が予定通りに終了するとは限らないので、以下のような対応ができれば生徒さんが通いやすくなります。
・レッスンの振り替えに対応すること
・期間内のどの日程に参加しても良いなど、流動的なスケジュールを設定すること
・①18時~、②19時30分~、③21時~などように①に遅れても次の枠でその日にレッスンが受けられるように設定する
・動画コンテンツを作成するなどして、レッスン時間を固定しなくても効果的なレッスンが受けられるようにする
●会社勤めをしている方向けの場合<郊外に出店する場合>
会社勤めをしている方をターゲットとした教室を郊外に出店する場合には、土日などの祝日をレッスン日に指定するのも効果的な方法です。ファミリー層の場合には、家族のイベントとバッティングしてしまいやすいため、ターゲットに合わせて対応を考えることが重要です。
しかし、難関試験の対策講座などは、休日を返上してでも受講したいという意思を持った生徒さんが多いので、時間の設定に加えて合格実績のアピールやレッスンの質の高さを強調すると良いでしょう。
3、生徒さん目線での月謝についての考え方
続いて、生徒さん目線での月謝について考えてみましょう。消費税の増税など家計の消費についてはシビアな見方もありますが、だからこそ明確で分かりやすい価格設計をすることが大切です。
●ターゲットや地域によっても相場が異なる
独身の会社員層、シニア層、ファミリー層とでは、自身で自由にできる価格も大きく異なります。従って、ターゲット層の費用相場を踏まえた設定をおこなうことが大切です。
厚生労働省が毎年発表している「家計調査」などを参照しても、女性の方が男性に比べて習い事に金額を費やす方が多いという傾向が見られます。また、男女問わず時間的に余裕のある60代以降のシニア世代においても、30~50代よりも費やす方が多いという傾向が現れています。
一方で、男性や20~30代前半の助成などキャリアを意識した習い事では、全体の人数としてはシニア層ほど多くないものの、一人あたりの単価が高いという傾向も見られます。
属性別の傾向や地域性、近隣の競合教室の費用などから、教室の価格設定を検討すると良いでしょう。
●月謝はコスパを重視
ターゲットに関わらず、生徒さんが教室の費用を判断する際の最大のポイントはコスパです。例えば、難関資格の取得やハイレベルな大会のエントリーを考えている生徒さんにとっての重要なパフォーマンスは「過去の実績」や「指導内容」「先生の質」になります。一方、習い事を通して仲間と楽しい時間を過ごしたい方にとっては、レッスン時間や通いやすさなどが重要なポイントになります。
やみくもに他店と価格競争をするのではなく、生徒さんが自身の教室に何を求めているかについて理解して、生徒さんの求めているものを提供する姿勢を重視しましょう。
●諸経費の内訳を明確に!
レッスンでは、毎月の月謝の他にかかる費用があります。例えば、料理教室であれば材料費や光熱費(水道代、電気・ガス料金)、フラワーアレンジメントであれば展示会・発表会でのエントリー料金、ダンス教室や音楽系の教室であれば発表会へのエントリー料などです。
これらの費用についてあらかじめ年間で(あるいは毎月)どの程度の負担が生じるのかを明示することにより生徒さんが安心して教室に通うことができます。また、大会や発表会へのエントリーを教室によって必須にされているところとそうでないところがあると思いますが、必須でない場合にはその旨も記載しておいた方がよいでしょう。
4、まとめ
生徒さんが「長く通いたい」と思える教室にするためには、生徒さん目線で教室の運営を考えることが効果的です。今回は、その最もベースとなる、ターゲット設定を踏まえたうえでの時間や料金設定の考え方について紹介しました。
生徒さんの立場になって、時間帯や費用の設定をおこなうことで、戦略的な教室運営が可能になります。また、生徒さんの満足度にもかかわるので、まずはターゲットの設定からイメージを膨らませてください。