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教室運営を成功するために作成不可欠な「事業計画書」(2)事業計画のための7つのステップ
趣味なび大学編集部
前回の記事(教室運営を成功するために作成不可欠な「事業計画書」 (1)事業計画ってなに?)では、教室運営を成功させるために不可欠な「事業計画書とはなにか?」「作成することの大切さ」について解説しました。では、実際に事業計画書を作成するためにはどうしたらよいのでしょうか?今回は事業計画の作成に向けてのステップについてお伝えします。
7つのステップで事業計画を作ってみよう
前回の記事(教室運営を成功するために作成不可欠な「事業計画書」(1)事業計画ってなに?)で解説したように、「今年はたくさん集客できるようにがんばろう!」「毎月これだけの売り上げを目指そう!」と、どんなに意気込んでも、その想いが現実にならなければ意味がありません。
教室運営で大切なのは、教室を作って日々レッスンを行うだけでなく、その後の継続や発展のことを考えて、計画的に活動していくこと。
その計画を「事業計画書」によって可視化し、売り上げ目標や資金の使い方、日々の運営方法などをできるだけ具体的にイメージさせることが大切です。
しかし、ひとえに事業計画書といっても、すぐに作成できるものではなく、作成の前には現状の棚卸しや分析、目標設定を行うとともに、根拠性・実現性のある綿密な計画を練ることが必要になります。
では、事業計画を考えるには、なにから始めればいいのでしょうか。
事業計画書の作成は、下記の7つのステップを踏むことで具体化しやすくなります。
<STEP1> なりたい自分のイメージを描く
<STEP2> 自己分析、現状の振り返り
<STEP3> 戦略立案、目標の具体化
<STEP4> 現在と目標のギャップを把握する
<STEP5> 事業計画への落とし込み
<STEP6> 事業計画を数値化する、検証する
<STEP7> 試行する、PDCAサイクルを回す
<STEP1>お教室の将来像を描く
現状の自分の理想像を描き出し、具体化するベースを作ります。たとえば、3~5年後、どんな先生になっていたいですか?どんな教室にしたいですか?下記の「WORK1」の項目について考え、書き出してみましょう。
あまり細かいことに拘らずに、自分の想いのまま、イメージを描くことが大切です。
WORK1:3~5年後の教室をイメージしてみましょう。
・教室の場所は?(自宅/レンタルスペース/自分専用教室/カルチャースクール)
・生徒層(男性/女性/小学生以下/中高生/大学生/社会人/主婦/シニア)
・毎回の生徒数
・レッスン時間
・開催頻度
・スタッフ数
・教室の雰囲気
・レッスン内容(規模・形式・レベルなど)
・ほかの教室との差別化ポイント
・生徒から見て他の教室と比べた付加価値(ここに来たくなる理由)
・年収(売上ではなく利益)
<STEP2> 自己分析、現状の振り返り
次に、現状を振り返り、STEP1で書き出した目標が実現可能かどうかを見極めます。どんなことが得意で、どんなことが苦手?教室の特徴や、先生としての自分の個性、特性、欠点、実績などを振り返ることで、将来に対する考えや課題などが見えてきます。
下記の「WORK2」の項目について考え、YES・NOを書き出してみましょう。自己分析のポイントは、「第三者の視点で客観的に見る」こと。自分の「想い」や「願望」を持ち込まないことです。
WORK2:教室の現状を振り返ってみましょう。
・経営能力・経営的視点
開きたい教室の人気度や既にどの位の教室があるかなどそのお教室の状況等に詳しい(YES・NO)
利益を出す仕組み/仕掛けについて考えるのが好きである(YES・NO)
経理や契約関連など、お教室で教える以外の教室の運営に必要なことでもできる(YES・NO)
・スキル・能力
人に教えるのが好き(YES・NO)
教室のテーマについて、他の教室にはないオリジナリティ溢れるものである(YES・NO)
テーマに対して、指導者として高いレベルのスキルがある(YES・NO)
・人的ネットワーク
仕事または個人的な付き合いの中で教室運営に役立つ人脈がたくさんある(YES・NO)
教室を実務的に支援をしてくれる人がいる(YES・NO)
今まで他の人の仕事などを積極的に手伝ってきた(YES・NO)
・仕事への取り組み姿勢
好きな仕事は熱意をもってトコトンやる(YES・NO)
コツコツと積み上げてきたノウハウやスキルがある(YES・NO)
時には相手のニーズに合せて業務内容を柔軟に変えることもある(YES・NO)
・営業能力・センス
お礼のメールや電話は、まめにする(YES・NO)
仕事(役割)であれば、初対面の人に普通に話ができる(YES・NO)
お金の話を相手にきちんと伝えることができる(YES・NO)
・企画能力・計画性
新しいレッスン、イベントなどを企画するのが好きである(YES・NO)
夢を実現する為の工程と課題を常に冷静に考えている(YES・NO)
いつも予定と実績を対比して管理ができている(YES・NO)
・自己管理・継続力
感情に流されることなく、重要度を考慮して物事の判断ができる(YES・NO)
体調管理には常に注意を払っている(YES・NO)
諦めずに根気強く試行錯誤できる(YES・NO)
・コミュニケーション
複数の人のコミュニケーションを仲介するのが好きである(YES・NO)
率先して他人に話しかけるほうである(YES・NO)
仲間に入れない人に配慮したり、場の雰囲気作りに気を配っている(YES・NO)
YESの数はいくつありましたか?YESの数をチャートにプロットして線でつなぎ、自分の強みと弱みを確認しましょう。
また、8つの項目(経営能力・経営的視点/スキル・能力/人的ネットワーク/仕事への取り組み姿勢/営業能力・センス/企画能力・計画性/自己管理・継続力/コミュニケーション)について、できていること、不足していることを、改めて振り返ってみましょう。
<STEP3> 戦略立案、目標の具体化
つづいて、教室に係わる回りの状況を具体的に分析していきます。教室が置かれている環境を正しく判断し分析できれば、チャンスとリスクを踏まえた戦略立てることができます。「WORK3」の項目について考え、書き出してみましょう。
・経済・社会的環境
例)
プラス要因:大企業中心に景気が上向きつつある
マイナス要因:食材の調達が難しくなること(バター等)
・技術的環境
例)
プラス要因:ネットの活用がうまくできれば、口コミ、集客につなげやすい
マイナス要因:ネット上の教室が増えること
・文化的要因
例)
プラス要因:食の安心、安全に対する関心の高まりによりオーガニック料理の需要が増えている
マイナス要因:料理自体の幅が広くなり、多様化している
・市場環境
例)
プラス要因:経済的時間的余裕のある人たちが多い地域に住んでいる
マイナス要因:地域コミュニティ(地域の生徒さん同士)の結束が強く、他エリアからの生徒が入りづらい
・競合について
例)
プラス要因:地域でもっとも長く続いている教室である
マイナス要因:地域に同ジャンルの教室が増えてきた
同じ事柄も見方を変えれば、プラスになったり、マイナスにもなったりします。普段から、教室運営に係わりのありそうなことには注意を払ったり、データなどをメモをしておくといいでしょう。
今回は、7つのステップのうち、<STEP3>までを解説しました。一度作るだけでなく、方向性を確認しながらSTEP1〜3を繰り返し納得するまで振り返ることも大切です。
次回は<STEP4>以降についてお伝えし、具体的な事業計画へと落とし込んでいきます。
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