LECTURES
レッスン料はどうやって決める? 基準となる3つの考え方
趣味なび大学編集部
教室の売り上げや生徒集客を左右する「レッスン料」。価格の決め方は、多くの先生にとってむずかしい課題ではないでしょうか。ここではレッスン料を設定する際のヒントとして、基本となる3つの考え方をお伝えします。
価格設定は教室運営者にとって悩ましい課題
「レッスン料」の価格設定は、売上に直結するものであり、生徒集客においても重要なポイントになります。高額に設定すると受講者が少なくなってしまうかもしれないし、安すぎる場合は利益が出せなくなってしまうる可能性も…。教室運営者にとって価格設定は本当に悩ましい課題だと思います。また、レッスンのオペレーションやカリキュラムの内容自体は、日々の教室運営を行うなかで変更を加えたり、ブラッシュアップしたりしていけるものですが、こと「価格」に関しては、一度決めたらそうかんたんに変えられないもの。レッスンを設計する最初のタイミングで、熟考する必要性があります。
それでは、どのようにレッスンの価格を決めていけばよいのでしょうか。それにはいくつかの方法が考えられます。ここでは基本となる3つの考え方をお伝えします。
その1 競合の相場をもとに価格を設定する
競合リサーチを行なった上で、相場の価格を割り出して価格を決める方法です。生徒さんが教室を選ぶ時、同じエリアで、同等のサービスが受けられるお教室が複数あるとしたら、やはり価格で選ぶ人は少なくないでしょう。
また、レッスン料は多くの場合、地域で相場が決まってきます。例えば同じジャンルの教室でも、一等地の駅前に構えた教室と、田舎町にある教室では、レッスン料が何倍も違うということがあります。それは、土地(レッスンスペース)の価格や利便性、街の雰囲気など総合的に条件が変わってくるからです。ですから、競合をリサーチする際はまず、同じ地域の教室から調査することをおすすめします。
まずは地域で人気の(多くの生徒を集めている)教室について、よく調べてみましょう。授業料と、その料金で受けられる授業内容やサービスなどについてリサーチし、その金額と同額か、もしくは少し安めの料金設定をイメージするのがいいでしょう。
その2 経費(コスト)をもとに価格を設定する
教室形態やジャンルにもよりますが、レッスンを行う際「材料代」「家賃」「人件費」「光熱費」など、さまざまな経費がかかってきます。さらに「宣伝広告費」「通信費」などがかかる場合もありますし、細かい部分で言えば、材料の買い出しに行く際の「交通費」などもかかってきますね。
例えば、すべての経費を計算して、合計でひと月30万円かかっているとしたら、最低でも30万円以上の売り上げを出さなければ赤字になってしまいます。ひと月の生徒数(1回あたりの生徒数×開催頻度)を50人と設定する場合、経費の30万円をまかなうためには最低でも6,000円はいただかないとなりません。最低ラインを6,000円とし、あとはどれだけ利益を見込みたいかによって、金額を上乗せします。
その3 生徒目線で価格を設定する
生徒さんの立場に立って、「いくらなら受けてもらえるか」という思考をもとに価格を設定する方法です。この方法で価格設定する場合、ポイントとなるのが、ほかの教室にない「強み(付加価値)」。
たとえば、レッスン料を高額に設定する場合は、額面以上のお得感を感じられる「強み」があれば、高くても集客が見込めます。たとえば、先生にしかできない「オリジナルの技術」を身に付けられる、先生を独り占めできる「プライベートレッスン」である、非日常を味わえる「こだわりのスペース」でのレッスンである、など。 ここでしか受けられない“プレミアム感”や“オリジナリティ” をつけることが重要になります。
反対に、低額レッスンを「強み」にする方法も。その場合、1回のレッスンの参加人数を増やしたり、レッスン時間を短くしたりして、採算性を高める必要があります。
高額をウリにするか、低額をウリにするか。どちらの価格帯の生徒を集めたいか、集まりやすいか。生徒層や目指す方向性にマッチしたレッスン設計と価格設定を行いましょう。
先述しましたが、レッスン料は一度設定するとなかなか変更しづらいものなので、レッスンを設計した段階でよく考えましょう。大切なのは、きちんと利益が出せるような価格設定をすることです。また、たまに「お金をいただくことに躊躇してしまう」という方がいます。そもそも、レッスン料は、先生がもつスキルや価値を金額にしたものです。材料代や家賃などの経費はもちろんですが、レッスンの準備をするために使った時間、スキルや能力、技術を得るために投資した時間や費用なども含めて、先生の価値に含まれます。ご自身が提供するレッスンの価値を把握し、ビジネス的な視点であるべき金額を設定することをおすすめします。
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